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もうスラスラ弾けるし、暗譜もできたけど、なにか物足りなくて、弾いても充実感がなかった生徒さん。
「」は私、『』は生徒さんの言葉です。

「春の日に、という曲だけど、春の日にって、どんな日だったんだろうね。」

『うーーーん。わかんない。』

「わかんないよね。じゃあ、春を想像して描いてみよう!」

『え!楽譜に書いていいの!?』

「うん!いいよ!」

楽譜にお絵描き、それだけでも嬉しいみたい!

「春ってね、新しい命の季節だよ。芝生なんて、ピカピカ光った緑だよ。」

色鉛筆の中のたくさんの緑色のなかから、自分でじっくり選んで

『ピカピカの緑…これかな?芝生、ここまで続いてるよー』

「芝生の上には、お花も咲いたよ。チューリップかな?うすーい花びらの、名前もわからないけど、小さなお花も咲いているみたい。」

『あ、じゃあ、赤かな?ピンクも!黄色も~。茎と葉っぱは、芝生と違う緑にしたいからぁ…(色鉛筆選んで、カキカキ)』

「あ、お花のいいにおい。蝶々が飛んできて、蜜を集めてるよ。なんでいいにおいがしたんだろう…あ、風さんが運んできたんだ!風の色って、何色かな?」

『風って、色あるのかぁ。うーん、これかな。あれ?描いたら薄すぎた。こっちの色にしよう。(優しいタッチで風のゆらぎを表現してる!)ちょうちょの羽は、リボンみたいになったぁ~!』

「なんで、風が踊って、においを運びたかったか。なんで、芝生がピカピカ光っていたか。それはね、お日様が照らしてくれた光があったから。」

『うん!あのね、太陽は、私は丸く描かないんだよ。私はいつもね、こうやって、描くの。』

「お日様の横には、青い空。あったかくて、きもちいいね~。」

『空は、この色と、この色も使う!雲もあるよー。白も、ちゃんと描けば、みえるよ。(カキカキ)あ、見えなかった。まあ、いっかー。でももういっかい。(カキカキ)あ!やっぱりみえた!雲かけた!』

もう、にっこにこ!

春の世界にkちゃんが入り込めるように、絵本を読むように言葉を選び、kちゃんの絵を見ていたら、いつの間にか私も春の日の世界にいたという…
私が導いているようで、kちゃんに導かれたような。

そして、ピアノに戻ったら、kちゃんの第一声!

『先生!ここのところは、きっと、風なんだね!』

1段目のフレーズに、春の風を感じたんだ!

「そうだね、春の日の風だね。いいにおいを運んだ風よ。」

春のイメージが膨らんで、
どのフレーズにも、物語やイメージがリンク。
2ページ目の初めのフレーズは、お日様が照って、ピカピカ光る草や花。だから、明るく弾きたいよね。だって太陽の音だもんね。

今日教室に来て初めて弾いた『春の日に』
絵を描いたあとに弾いた『春の日に』

まるで、ちがう曲みたいに素敵になりました!

こんないい演奏ができた日は、終わった時の、なんともいえない充実感が子供の体全体にみなぎります。
そして、私も同じ!