発表会記録④

『ルルル』

たねまきの生徒ではない子がひとり、
うたのたね(日野のたねまきでうたをうたう会)
に来てくれていました。

既にうたのたねに来ていた生徒のお友達です。
詳しくは書かないけど、何かと色々と奇跡的な、
いや・・運命的なつながり。
たねまきの生徒が3人。その子も入れて、4人。

「合唱って聞いてたのに・・たったこれだけの人数なの?」

って初回の練習では半ば、あきれたような、怒っているような、
残念なような子供たちでした。

ところがいよいよ本番前の最後の練習で

「今日で練習は最後。
本番が終わったら、うたのたねはおしまい。
でも、また、うたいたい人がいたら、また、うたのたねやるよ。
それに、本番でうたったら、(私もやりたいな!)って思う人がいて、
メンバーも増えるかもしれないし!」

と、子供たちに、終わってしまう悲しさ、寂しさだけじゃなくて
「希望」を与えたかのように思えた私の発言でしたがまさかの・・・

『増えるのなんて、いや!!』

『うん!やだ!!』

『増えなくていい!』

『増えるのもいやだし、減るのもいや!』

だって・・・!!(うそー!!)と私はびっくりでした。
うたのたねの本番を観て、
うた、いいな、やってみたいな。
と思ってくれた生徒さんや親御さんが、
これを読んで【ガーン】となっているかもしれないので説明しますけれど、
絶対、メンバーが増えてくれたら、
それはそれで、喜んでちゃんと受け入れる子供たちです。
練習の時も、違う子供がうたのたねに遊びに来てくれて
何人か出入りがあった時だって、すごく楽しんでいました。
いまだに、
「○○ちゃんが来てくれた時テンション上がったなー。」
って言ってるし。
だから、大丈夫なんです。
興味があったら、心配しないで来てください!!

「増えるのも減るのもいや!」と言ったのは、
ここまでの道のりの中で4人が深くつながり、充実した証の言葉でした。
これ以下でも以上でもなく、今この時がとんでもなく充実している、
ということの表現。
それを、子供たちのなかにある言葉を紡いで出てきた言葉。
シンプルだけど、これ以上にぴったりの言葉ってあるでしょうか。

その4人の本番でした。
前日の最後の練習の話し合いで、
ピアノの前に出てうたうことになった子供たち。
子供たちには

「先生が前にいてほしい!」

と要望されたのですが、

「まぁ、ちょっとやってみようよ。
私は、みんなの後ろから、ピアノを弾いて、うたって、
ちゃんとみんなを見ているから大丈夫なんだから。」

と伝えて、やってみると

「あれ?大丈夫だね。」

ってなりました。
きっとこれ、思いが「つながる」前だったら、
だめだったんだろうな、不安だったろうな、と思います。
今の私たちだからこそ、
私は子供のたちの背中を見ながら「大丈夫」と思えるし、
子供たちは私の顔を見なくても私を感じ「大丈夫」と思える。
それでもなんだか、4人で前に出ていて、
私は後ろでちょっと寂しくて、

「最後の、(ルルル・・・)って歌うところだけ、
みんな、私の周りに来てほしいんだけど。」

とわがままを言ったら、

「えーしょうがないなーいいよー。」

と承諾していただけました。

それで、本番。
「ルルル・・・」で私の周りに来てくれた子供たち。
こうやって集まったら寂しくなくなるって思ったはずなのに

「もうこれで終わっちゃう。」

の思いや、今までのいろいろがこみあげてきて、
ものすごく寂しくなってしまいました。
それに、みんなの目を見たら、
みんなの目も寂しそうに見えちゃって。
うたが終わって、ピアノの最後の音を出すのも、
終わりたくなくて、震えて寂しくて。
誰がはじめに泣き始めたのか、
気付いたら子供も私も泣いちゃっていました。

こんな思いになるなんて。

でも、会場にも何かが伝わって
「良かった。」「泣いちゃった。」
って言ってくれる人もいました。
泣かせればいいとか、泣けばいいとか、そういうのではなく、
泣かなくてもいいし、泣いたっていい。
心が動いていたかどうかは、本人にしかわからない。

私も含めて5人のつながり、
そして、見て、聴いてくれた人とのつながり。